KERN YVAR 1:2.8  f=75mm

このレンズについて

 Yvar 150mmと同じ、Kernの映画用レンズです。こちらは、焦点距離が75mmと半分になっているため、改造時の余裕がありません。だいたい、この75mm付近を境にして、これより短い焦点距離のレンズを普通の一眼レフで使う場合は無限を出すのが困難になります。
 右の写真では、Yvar 75mmのヘッド部分をペンタックスのヘリコイド中間リング(M42)に押し込んでいます。一応無限も出ます。白く見えるのは、中間リングとレンズの隙間を埋めている布テープです。金属のスペーサーなどで固定した方が改造の完成度としては高いのですが、隙間が狭いためいい案が浮かばないことと、ヘリコイド中間リングは一つしかなく、これを使ってカメラに付ける他のレンズも多いので、Yvar専用にするわけにはいかないという事情があります。
 改造の本流としては、50mm程度のレンズの鏡胴を間借りしてそのヘリコイドを利用するというのが一般的で、レンズかびかびとかのジャンク品を使えば材料費も安く上がっていいのですが、ヘッド部分が鏡胴の奥の方に入るため、絞りの操作や確認がしにくくなるという欠点があります。宿主の絞りリングまでも活用できるようにできないことはないと思うのですが、具体的な検討には入っていません。

写りは

 開放でも、真ん中はシャープな像を結びます。周辺は、流れるというかピントが合いません。もともと16mmシネ用のレンズを35mmフィルムに使うのですから、これはレンズのせいではありません。作例をいろいろ見ていくと、どうも像面が平坦ではないため、周辺がピンぼけ・流れているように見えるみたいです。近距離よりは中・遠距離で顕著になるように思われます。2段くらい絞ると、ほとんどわからなくなります。この像面湾曲のせいでしょう、開放では独特の遠近感があります。絞ってしまうとこれがなくなってしまい、普通の写りになってしまうので、できるだけ開放で使いたいレンズです。

2004.05.12. 加筆、作例追加


作例

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