XA

このカメラについて

 オリンパスの米谷氏が、penシリーズ、OMシリーズに次いで1979年に発表した、XAシリーズの最上位機種です。「シャッターチャンスを逃さないためにいつも持ち歩けるカメラを」というコンセプトに基づいて開発されました。新型カメラの登場にあたり、一人の設計者の名前が前面に出てくるというのは、このカメラが最後なのではないでしょうか?
 超コンパクト35mmフルサイズカメラというと、ローライ35シリーズが思い出されますが、これらはレンズが沈胴式であるため格納状態からの速写性に欠けます。小さいとは言っても、厚みが結構あるため、ジーンズのポケットには入れにくい形です。XAは、レンズバリアを開けるだけで撮影可能状態になりますから、速写性はかなり高いですし、ズボンのポケットにもするりと入ります(ただ、入れたまま椅子に座ったりするとカメラを壊す可能性もありますが)。 

 基線長が短いながらも立派な二重像合致式距離計連動機で、絞り優先AE(専用)。二重像の分離も比較的よく、ピント合わせは難しくありません。XAシリーズ用フラッシュをつけると、横幅がだいぶ長くなってしまいますが統一されたデザインのフラッシュ内蔵機になります。フラッシュの種類もガイドナンバーが9、11、16のものがありました。
 フラッシュを使用するには、合体させた後絞りレバーを一番上まで上げます。すると、フラッシュのチャージランプが飛び出してきてフラッシュのスイッチが入ります。このチャージランプの飛び出しは機械的な連動なので、かなり抵抗があります。この状態では絞りはF4相当になり、シャッター速度も固定されますが、フラッシュをONにしておいて絞りレバーをF2.8とかF4に戻してもフラッシュは同調しますので、スローシンクロ撮影も可能と思われますが、私は試したことがありません。フラッシュを使った撮影さえほとんどしませんので。

レンズはF.ZUIKO 1:2,8 f=35mmですが、望遠タイプの構成を採用し、薄型化を図っています。また全群繰り出しでも前玉回転でもない、インナーフォーカス式(前から3群目が前後する)のため、フォーカシングをしても前玉も後玉も動きません。このためレンズバリアも前玉ぎりぎりまで寄せることができ、薄型化に一役かっています。

使ってみて

 これだけ小さいカメラでありながら、距離計連動式で絞り優先AE機という本格派である点に魅力を感じます。最近ではAFで絞り優先もプログラムAEも使え、フラッシュも内蔵してXAとさほど変わらないカメラも出ていますが、20年近い時間差を考えるとたいしたものだと思います。

 実際に使ってみますと、私の手にはやや小さすぎる感じがあります。レンズバリアがメインスイッチを兼ねていて、完全に開いた状態でないと撮影できないのですが、ピント合わせの時などのホールディングがしにくいため左手でバリアをちょっと戻してしまうことがあり、レリーズできずに驚いたことが何度もあります。そうは言っても、この小ささはこのカメラの大きなアドバンテージだと思います。開発コンセプトが非常に明確で、そのコンセプトに忠実な製品です。

 フィルム巻き上げはPENからの伝統で、きりきりとノブを回して巻き上げるタイプです。今の撮り切りカメラで採用されている方式ですね。巻き戻しは通常と同じ、クランクを起こして巻き戻し軸を回すタイプですが、このクランクがレンズバリアとの干渉を防止するため立った状態であり、なおかつ先端のつまみの角度が内側に向いているため(文字で書くとややこしいので、右の写真を参照してください)非常に巻き戻しがしにくい点が最大の欠点ではないかと思います。それ以外の欠点は特に感じません。

写りは

 ひとことで言えば、可もなく不可もなくというところでしょうか。色はどちらかというと地味目な感じがします。また、真ん中が明るい、逆に言えば周辺の光量が少ないという印象があります。これは開放の時に顕著に出ますが、被写体によっては絞っていても目立ちます。
 また、開放ではコマフレアが盛大に発生します。クリスマスツリーなどの電飾を撮りますとてきめんです。コマフレアのすごさに関しては、私の所有している中ではこのレンズとコニカのHEXANON AR 40/1.8が双璧をなしています。

2002.08.28.


作例