Vario-Sonnar 4/80-200 T*

出会い

 たまたま観光で某所を訪れた帰り、国道に出るため県道を走行中に、前方に見慣れた赤に白文字の看板を発見。店を見つけてしまった以上、仕方がないので入って中古コーナーへ。何もないと予想していたのに、妙に安いこのレンズが。実物を見せてもらって安い理由がわかりました。前玉表面がかなり荒れているのです。光を反射させるとよくわかりますが、透過光では荒れているのがわかりません。実写への影響が皆無とは思えないけれども、たぶん気づかない程度であろうし、何よりも安かったのでついつい買ってしまいました。

使ってみて

 このレンズは、ヤシコンツァイスのレンズにしては細くて長く、AXやRTS IIIに装着すると天狗の鼻のようです。小柄なように思えますが重量は925gで、それなりのものです。ズーミングとフォーカシングが同じリングで行える直進ズームですが、ズーミングには適度な摺動抵抗があるのでフォーカシング時に焦点距離が変わってしまうことはまずありません。
 撮影に持ち出してみますと、今更書くことでもないですが、ズームレンズが便利であることを痛感します。特にモデル撮影会や湿原、渓流での撮影など、自分が自由に動けないような場所ではとても重宝します。28-80mmくらいのズームレンズとこのレンズ、そしてムターだけ持っていけば、風景写真ならたいていのものは撮れるような気がします。実際、ハイキングコースを歩きながらの撮影の際にはこの組み合わせで出動します。が、それだけでは気が済まないのがカメラ趣味なんですね・・・
 開放値が暗いせいか、ピントの山がややつかみにくいことがありますので、ズームレンズを持ち出す時にはボディはだいたいAXとなります。

写りは

 前玉表面が荒れているのですが、実写ではやはり気になりません。ただ、荒れていないものとの比較はしたことがないので、比べてみれば違いがあるかもしれません。
 そういう点を考慮しても、開放から安心して使えるレンズです。VS40-80では気になることもあった歪曲収差もほとんど目立ちません。大変コストパフォーマンスの優れたレンズだと思います。

2002.10.19.


作例