T zoom

このカメラについて

 2002年8月に京セラから発売されたコンパクトズームカメラです。一応、T-proofの後継機種になると思いますが、京セラ(ヤシカ)Tシリーズでは初めてのズームレンズ搭載機種ではないでしょうか?(違ったらすみません)

 発売当時からこのカメラには全然興味がなく、将来買うことになるとは夢にも思っていませんでした。しかし、私のT4SuperDを譲って欲しいという人が現われ、その熱い想いに動かされて手放したため、代わりのコンパクトとして急遽導入されることになったのです。

 外観上の違いに関しては、T-ProofやT4SuperDは外装がプラスティックでしたが、こちらはボディ前面のみ金属でできています。またズームボタン以外のボタンにはめっきが施されているので、T4SuperDよりは高級感を醸し出しています。T4SuperDはボディの厚みが右と左で違う、握りやすいがかさばる形状でした。しかし、Tzoomはごく普通の四角い形状になっています。

 機能としては、T4SuperDの特徴であった日常生活防水とスーパースコープはTzoomにはなく、代わりにズームレンズと±1.5の露出補正、視度調整、長時間露出、夜景ポートレイトモードなどが装備されています。

ズームレンズ
28-70mm f:4.5-8.0という、特筆すべきものがない数字です。無段階ズームではなく、28と70の間に2カ所使えるところがあるだけのなんちゃってズームレンズですね。実用上はほとんど問題ないと思います。かえって有利な場面もあるかもしれません。

露出補正
±1.5段の露出補正ができますが、間がありません。逆光の時、真っ黒/真っ白なものを撮る時の補正くらいにしか使えません。しかし、もともとそういう目的で装備されていると思いますし、ないよりはましでしょう。

ファインダー
視度補正もないよりはあった方がいい機能ですが、補正のダイヤルが回りやすい点はかなりのマイナスポイントです。もう少し回転トルクを固くするとかダイヤルを埋め込むとかの配慮が欲しかったところです。それから、ファインダーに見える像は比較的見やすいのですが、目がちょっとずれると翳ってしまうところを何とかして欲しかった。視野率は80%で、ファインダーで見えていなかったものが写真にかなりたくさん写っています。同時プリントのこととか写したいものが切れるよりは余分に写っていた方がいいという考えはあろうと思いますが、ちょっとひどすぎる気がします。

長時間露出・夜景ポートレイト
長時間露出もあると便利な機能ですね。ピントが無限遠に固定されてしまいますが、実用上は問題ないでしょう。近くにピントを合わせたい時は、夜景ポートレイトモードにしてフラッシュを覆ってしまえば、何とかなりそうな気がします(実際に試してないのでうまくいくかどうかわかりませんが)。

写りは

 まだそれほど使っていないのですが、噂に聞いていた周辺減光は確かにあります。開放値が暗いせいか、かなり明るいところでも収差を感じるような写りの時があります。コンパクトズームカメラの例に漏れず、高感度フィルムの使用が前提となっているようです。また、リバーサルフィルムで撮影してみるとAEがあまりあてにならないことがわかります。
 その反面、逆光にはかなり強いという印象があります。最短距離50cmでの撮影でもピントは合うみたいです。T4SuperDは30cmでしたので、負けてはいるんですが、ズームだから仕方がないですね。

 総合的には、写りではT4SuperDに軍配が上がるものの、その他の機能を含めて考えるとTzoomも有りか、というところでしょうか。もともと多くを望んで購入した訳ではないので、今後いろいろ活躍してもらうことにしましょう。


作例