MAMIYA -SEKOR EF 1:1.4 f=50mm

このレンズについて

 マミヤ135判カメラ最後のマウント、ミラクルマウントのレンズです。ミラクルマウントでは、レンズとボディが電気的な情報のやりとりをしているようです。ミラクルマウントレンズにはEレンズとEFレンズがあって、Eがelectronic、Fがflashを意味していると思われます(違っていたらご指摘を(^_^;)。このFの機能は、ZE-Xという機種で有効になるもので、平たく言えば電気的フラッシュマチックを実現するものです(実際にはもう少し高度なことをやっているようですが)。当然専用フラッシュが必要となります。 

 ミラクルマウントレンズの50mmレンズは、E、EF、E-Sなどのタイプがあって、それぞれに開放値の異なるモデルがラインナップされていたようですが、F1.4はEFレンズだけのようです。'84年当時の定価は\30,000でした。

使ってみて

 ピントリングのローレットがゴムのように見えて実はリングと一体成形品だったり、プラスティックが多用されてはいますが、まあそれなりの外観・質感です。マミヤ系の掲示板を見ていると、EFレンズのヘリコイドはすかすかのものが多いという話が見られますが、私のものはすかすかと言うよりはすかっと回る部分と引っかかる部分の差が大きく、使いにくいという感じでした。仕方がないので分解給油を試みましたが、問題の部分はいわゆるヘリコイドではなく、ピントリングとマウント側固定部分を連結している方の、ピッチの細かいねじ部分のグリスが固まっていたためとわかりました。ここを洗浄して新しいグリスをつけたら、ぐっとスムーズになりました。

 レンズをボディに装着したとき下側になる部分に、小さなスイッチがあります(写真右)。内部にはピントリングの回転角度(被写体までの距離)を拾うための抵抗と接点が仕込まれていますが、このスイッチをスライドさせることにより接点を開くことができます。機能的には電気的フラッシュマチックを無効にするスイッチだと思うのですが、この機能に対応したボディもフラッシュも手元にないので、本当にそうなのか、なぜそんなスイッチが必要なのかはわかりません。

写りについて

 正直なところ、写りに対しては大きな期待はなかったんです。マミヤの大口径レンズの写りを実際に見てみて、他社のレンズと比べて、ひとしきりつぶやいて、その後は手放してもいい、そんな気持ちで手に入れたのですが、どうもそうはいかなくなったようです。

 最初の試写はとある遊園地でのスナップでした。晴れた日中ということもあり、F4より開けられない状況でしたが、絞ってもカリカリにはならず、ボケ方も好ましく立体感が良く出た写り。開放でもピントがあった部分のハロが少なく、解像度とコントラストが絶妙にバランスを保っているなど、今までマミヤのレンズをまたいできたことが悔やまれるようなアガリでした。今後は50mm/1.7、2.0やマクロレンズなどに触手が伸びるのは必至といえましょう。


作例