このレンズについて
かつてZeiss Ikonが総力を挙げて開発したContarexシリーズの、広角レンズです。これより広い画角のレンズは21mmがありましたが、ミラーアップして使う必要がありましたので、事実上このレンズがContarex用としては最大画角と言えるのではないでしょうか。鏡胴はSonnar
2/85とかPlanar 1,4/55あたりとよく似たデザイン、サイズになっています。光学系は、今のヤシコンのDistagon
2,8/25とコーティング以外は同じという話ですが、目で見た範囲では確かにそうかもしれないと思えるものの、写りが類似しているという感じはあまりしません。コーティングの影響が大きいのでしょうか。
それと、ヤシコン用と決定的に違う点は、最短撮影距離です。ヤシコン用は0.25mですが、こちらは0.17mです。最短時のワーキングディスタンスは5cmほどです。ここまで寄れるとけっこう撮影が楽しめます。同じ光学系でサイズ・重量が全然違うのは繰り出し量を多くするためだと思えば納得してしまいます。
Contarexのレンズは、専用フィルターやフードは鏡胴先端のバヨネットに取り付けます。しかし、いくつかのレンズはバヨネットの内側に普通のフィルターネジが切ってあり、これを使って汎用フードやフィルターを装着することができます。この2,8/25もφ49のネジが切ってあるのでこれを使えますが、49mmのフィルターなどをつけるとけられてしまいます。少なくとも49→55ステップアップリングを介してφ55のものを使用する必要があります。55mmにするのはHamaの角型フードを使用する前提ですので、52mmでもいいかもしれませんが、私にとっては意味がないので未確認です。
写りは
上にも書いた通り、ヤシコン用D25/2.8と同じ光学系とは感じません。どこがどう違うのかというのは説明しにくいのですが、Contarex用の方が淡泊で階調が豊か、という感じでしょうか。これはあまり多くない撮影結果の比較ですので、もしかしたら外しているかもしれません。そこはご了承ください。
また、このレンズの評判としては「周辺の解像度がよくない(開放時)」とか「陣笠状の歪曲」というのが有名ですが、そういうものが目立つ被写体を撮りませんので気になりません。
2003.05.05.
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