Kodak Retinette  #017-7
 KODAK ANASTIGMAT f3.5  ANGENIEUX 50mm

   

このカメラについて

 大衆向けカメラであるレチナをベースにした廉価版のレチネッテです。ピント合わせも前玉回転式です。レチネッテは通常シュナイダーのXenarとかReomar というレンズがついていて、型番は#017と付けられていますが、フランス向けだけはシャッターユニットとレンズが違い、型番も#017-7と付けられて区別されています。
 レンズはフランスの映画レンズメーカー、アンジェニュー(人によってアンジェニーとかアンゼヌーとか、呼び方が違う)製で、市場でもシュナイダー製のレンズがついたものよりもいくらか高い値がついています。
 この型は、50mm/F4.5付きのモデルもあり、一度使ったことがありますが、こちらはごく普通の写りだったため、すぐに手放してしまいました。

使ってみて

レンズ同様フランス専用仕様であるコダックシャッターは元気が良すぎて、1/250秒で撮影しても注意しないと手ブレするくらいの衝撃を発生するものだったので、いやになって手放してしまいました。

写りは

 この個体についていたレンズは、一見したところはそれほど傷がついていないように見えたのですが、バルブにして後ろから見ると結構深い傷がついていました。その傷のせいなのか、あるいは50mm/F3.5のもともとの性格なのか、撮影したアガリは一面にフレアが広がり、最初に見たときは驚いたものです。落ち着いてみると、なかなかに味わいが感じられ、女性を撮るにはいいかなーなどと思ったりして、シャッターユニットを外してSLRにつけて撮影したこともありましたが、全然ピントの山がわからず、ストレスが溜まったのでまた元に戻しました。

作例