Retina II w/Heligon 5cm 1:2

このカメラについて

 レチナは戦前・戦後のモデルやレチネッテシリーズを含めると、膨大なモデル数があり、その全容をつかむのは簡単ではありませんが、幸い「レチナブック」という本が出ているので、これを見ればだいぶ理解の助けになります。

 上の写真のモデルは戦後のRetina IIで、型番は#011と付けられています。#011のように#0で始まる型番は戦後モデル、#1で始まるのは戦前モデルと考えて差し支えないと思います。このレチナIIは1946年〜1949年に製造されています。ついているレンズはローデンストックのヘリゴン(Heligon) 5cm 1:2(写真)のほか、シュナイダーのクセノン(Xenon)50mm 1:2、コダックのエクター(Ektar)47mm 1:2があります。コーティングの有り無しとか表記の仕方の違いも入れると、7種類ほどのバリエーションがあるようです。焦点距離が違うのは、エクターが特別というわけではなくて、クセノンもヘリゴンも実際には47mmで、表記のみ50mmとなっているといわれています。
 シャッターのチャージとフィルム巻き上げが別操作のため、慣れないうちは戸惑いますが、幸いにもどちらかの操作が不完全の場合は撮影が出来ないようになっていますので、多重露光とか空撮りの心配はありません。
 また、ヘリコイドを無限遠の位置に戻さないと前蓋を閉めることができません。これは、すべての蛇腹レチナに共通する作法です。

写りは

 このヘリゴンはコーティングなしと思われますが、そのせいか画面中央付近にフレアが出やすく、深いフードを付けても完全には発生を防止できません。そういう条件では使わないようにするしかないようです。


作例