このカメラについて
某ホームセンターのクラフトコーナーで見かけたピンホールカメラキットです。これは135判のフィルムを使うモデルですが、その他にブローニー判を使う6x4.5と6x9モデルがありました。こういうカメラに手を出すのなら6x9、百歩譲って6x4.5だと思うのですが、135判が\980なのに対して6x4.5でも\4500、6x9は\5000という価格だったので、千歩譲って135判モデル(\980)にしたのでした。
sharanという名前にピンと来る方もおられると思いますが、ライカやニコンやコンタックスのカメラを小さくしたミニチュアカメラを作っているsharanが、このカメラの製造元です。
基本骨格はボール紙で、巻き上げ/巻き戻しノブと軸がプラスティック製です。組立説明書に従って折り曲げ、テープで貼り付けたりしながら組み立てます。意外に時間が掛かりました。フィルムカウンターも巻き止め機構もない、非常に原始的な構造ですが、光漏れ(侵入)はしにくいようです。シャッターは真ん中の板(STD-35と書いてある)で、これを上下させます。ピンホールの径は0.16mmだそうで、ピンホールからフィルムまでの距離が20mmなのでF値は125、丸めて130ということになっています。
使ってみて
巻き止め機構がなく、当然赤窓もないわけですので、一コマ分巻き上げるのにどれくらいノブを回せばいいかがわかりません。説明書には目安として巻き初めは四回転、何枚目までは何回転、という記述がありますが、36枚撮りフィルムで27枚しか撮れないとのことなので、独自に目安を作りました。(テストフィルムにパーフォレーション8個おきに印をつけ、何コマ目はノブ何回転、というのを記録しておく。)これで一応36コマ以上撮れるようになりました。ただ、実際に撮影してみるとわかりますが、絶対多重露光や未露光があります。気をつけていてもやっちゃうんです。でも、仕方ありませんね。
それから、部品精度、組立精度によるものだと思うのですが、20枚を過ぎたあたりから巻き上げが重くなります。ここでフィルムが終わったと考えてしまうと、相当の未撮影部分が出てしまいます。巻き上げが出来なくなったら、巻き戻しノブを巻き戻し時とは逆の方向に回しながら巻き上げます。これで最後まで撮影できます。
フィルム感度がISO100の場合、晴天でも2〜3秒の露光時間が必要なので、三脚は必須だと思うのですが、このカメラには三脚穴がありません。ブローニー判モデルにはついているのにです。その辺が価格差に表われているのでしょう。仕方がないので、がらくたの中からミニクイックシューを出してきて、それを貼り付けて三脚穴としました。
写りは
写りは想定の範囲内というところでしょうか、びっくりするほど良いわけでもなく、がっかりするほどひどいわけでもありません。理論的には無収差、パンフォーカスということのようですが、画面周辺には収差のような画質低下がありますし、パンフォーカスといってもすべてにピントが合うというよりはすべてが同じようにぼけるという表現の方が適切と思われます。何かの表現にこれを使うということはアリかもしれませんが、私にはそのセンスはないようです。.
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