PENTACON auto 1.8/50

このレンズについて

 モノコートの方は、いつどこで、いくらで買ったのかも覚えていません。そんなに高くなかったはずです。もともとどんなボディの標準レンズだったのかもわかりませんが、モノコートであること、鏡胴のデザインなどからけっこう古いモデルではないかと推測しています。どことなく、日本製の古いレンズに似た外観です。

 マルチコーティングの方は、オハイオのカメラスワップで入手したことを覚えています。くたびれた外観と後玉のコーティング剥がれのためか、価格は確か$10でした。基本的なデザインはモノコートと似ていますが、フォーカシングリングのローレットが異なり、これだけでかなり印象が違っています。
 レンズ表面からの反射光はかなり濃い赤紫で、HFT Planar 1,8/50を彷彿とさせます。実際に比べてみると、Planarとはだいぶ反射の様子が違いますが、それよりも同じ焦点距離/開放値でありながら前玉の直径がかなり違うことに驚きます。

 最短撮影距離はどちらも0.3mと短く、かなり近寄ることができます。これはけっこう重宝しますね。
 それから、モノコート品には絞り込み用のボタンはありますが、A/M切り替えのレバーは付いていません。マルチコーティング品には切り替えレバーが付いています。


(右上の写真はマルチコーティングですが、マウスポインタを当てるとモノコートの写真が現われます。)

マルチコーティング。非常に濃い赤紫の反射光である。見た目はよく写りそう。 モノコーティング。普通のモノコートレンズと同じような反射である。 HFT-Planar 1.8/50の反射光(参考)。反射の仕方がPENTACONとはかなり違うが、それよりも前玉の大きさが違うことの方が気になる。


写りは

 マルチコーティングの方は、その強烈な反射光から訳もなくよく写りそうだと思ってしまいますが、実際には開放でのシャープネスやコントラストは、モノコートの方に一歩譲るような気がします。ボケもマルチコーティングの方がにじんでいる感じが強いです(開放近接時)。
 また、ファインダーを覗いた時に色味に違いがあることに驚きます。マルチコーティングの方がずいぶん黄色いのです。それは作例にも十分出ていますのでご確認ください。
 今回は比較しやすくするため、ロールオーバーという機能を使っています。各作例でマウスポインタを画像の上に持っていってみてください。持っていく前がマルチコーティング、あとに表示されるのがモノコートの作例です。表示されるまでに画像を二つ読み込むので、多少時間が掛かります。ご了承ください。

2004.07.05.


作例