このレンズについて
このレンズも京セラコンタックス用Carl Zessレンズとしてはかなり有名ですね。これ以前の135判一眼レフ用の標準プラナーには、Contarexの50/2や55/1.4、Rollei
SL35などの50/1.8や50/1.4がありますが、それぞれ高い評判を得ているようです。
ヤシコンマウントのプラナー50mm F1.4についてよく語られる逸話として、「アサカメのニューフェイス診断室に3回登場して、そのたびに性能が落ちていく」、というものがあります。こんな逸話が残るのも、長い間ボディが現われては消えていく中、標準レンズのモデルチェンジは一切なしという、他のメーカーにはない事情があったことや、「Carl
Zessのプラナー」に対する愛好家の特別な感情があったからだと思います。
これと関連して、「ヤシコンツァイスのレンズはばらつきが大きい」ということも、まことしやかに言われています。「ハズレ」はどのメーカーの製品にもあるはずですが、京セラの場合はアタリの方が少ないというわけです。ではどうやって当たりはずれを見分けるかなのですが、感覚の鋭い人たちはレーザーポインターや「指紋判別法」で、写真を撮らずして当たりはずれを判断してしまうようです。この辺は、私も何度もチャレンジしてきましたが、どうしても身に付かなかったので、レンズの判定はもっぱら実写に頼っています。また、最終判断は「善し悪し」ではなく「好き嫌い」です。
ということで比較テスト
ということで、Carl Zessとはいえ50mmは比較的安い、もともと標準レンズは大好き、ということから自分なりに上記の逸話を検証しようと思い立ち、何本かそろえてみました。手許にきたのはきれいなものからちょっとかびてたりするものまで幅広く、厳密な比較をするには条件がそろっていないというきらいはあるのですが、まあアソビですからこれでいいや、って感じです。似て非なる他銘柄との比較のため、ML50/1.4も戦列に加えました。
このために準備したレンズのシリアルは
581****
582****
583****
817****
で、ちょっと偏りがありますが、この企画(?)を思いつく前に手放してしまった74*****を使った時の記憶も織り交ぜて書いてみることにしました。
写りに一番差が出るのは、やはり開放ですので、そのあたりを使った試写が中心になります。被写体を見つけると、そこに立ち止まって5本のレンズをとっかえひっかえしながら撮影。これを繰り返していきます。ファインダー上でのピント合わせは、どのレンズもあまり変わりません。厳密には微妙に違うのですが、被写体により傾向が変わるので、どのレンズがどう、とはっきり言えないのです。
結果は
さて、アガリを見てまずはっきり言えることは、プラナーに対してMLは開放時に薄いもやがかかったようになり、コントラストが低い画像となっています。次に、プラナー同士の比較ですが、うーん・・・正直言ってよくわかりません。ファインダー上での違いと同様、何となく違いはあるのですが、被写体によりその傾向が変わるのです。そういう個体差をとりあえず考えずにプラナーの写りを見た場合、開放からコントラストが高く、周辺減光もほとんどなく、いいレンズであることは確かです。以前持っていた74****は、開放では全然ダメだったような記憶があるのですが、あのときはP-Filterを付けていたような気がするので、85mmの時と同様、フィルターのせいで写りがおかしかったのかもしれません。
そんなわけで、ちょっと肩すかしを食らわせたような結果で恐縮ですが、第一弾としてはこんな程度でお許しいただきたいと思います。今後も比較は続けていき、適宜結果を報告したいと思っていますので、気を長くしてお待ちいただきたいと思います。
2003.12.03.作例追加
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