さて、OM-4です。Tiじゃありません。
どこで、いくらで買ったのか、もう覚えていないのですが、ファインダー真ん中でピント合わせしないと狙ったところにピントが合わないという病気を持っています。
これに気付いた時はかなり衝撃を受けたものです。一度どこかに修理に出したのですが、修理不能で帰ってきてしまいました。
そんなカメラを先日持ち出したのですが、新たな病気が発症していました。このカメラのファインダーは視度補正機能を持っていますが、補正つまみを-側に回すとファインダー像が歪むのです。眼鏡などをかなり斜めから見た時のような感じです。
ファインダーから目を離してつまみを回すと、中のレンズが異常な動きをしているのがわかりました。もしかしたら、昔ファインダー周辺でピントが合わなかったのはこれが原因だったのかな。
と思ったら、猛烈に分解したくなってきました。
分解と言っても、今回はファインダー接眼部までです。
OM-4を分解するのは初めてなので、まずは軍艦部の外し方からネット検索します。20世紀は全て自分で試行錯誤するしかありませんでしたから、便利な時代になりましたよね。
なんて言っても、親切丁寧に全てを網羅しているwebサイトやブログはなかったので、何箇所かを見ないとわかりませんでしたが。
一番驚いたのは巻き上げレバーの上の化粧板。まわして外すのかと思ったら、接着だそうで。けっこう頑丈に接着されていました。
また、一番大変だったのは、レバーの下の固定を外すこと。
結論を書くと、軸のすぐ外にある、溝の入ったリングを外すのですが、その溝が狭いところにあるので手持ちの工具では緩められず。ほんとはここじゃなくてその外側の大きいリングを外すんじゃないかと無理をしてみたり。
結局、工具の先端を削って隙間に入るようにして、何とか外すことができました。ファインダーの接眼ブロックはボディにネジ留めされているだけですので、すんなり分離できます。そこからさらに視度補正関連の部品を取り出します。
上から撮影してみましたが、レンズがあるべきところにないという感じがしますね。レンズは樹脂製の枠に接着されているように見えますが、接着剤が変質して粘度の高い油のようになっています。レンズはフローティング状態になっちゃってますので、これではまともなファインダー像は得られません。
このベトベトはホームセンターのパーツクリーナーでは全然落ちなかったので、アルコールを使ってみたところ、何とか落とすことができました。
その後、レンズと枠をエポキシボンドで接着します。接着後、落ちてしまったコバ塗りをしてから組み立て直します。
ほぼ完了したところで部品を一つ付け忘れたことがわかり、やり直しとなりましたが、ほぼ問題なく組立は完了。修理前は斜めになっていた内部のレンズがちゃんと平行になっています。
翌日フィルムを入れてテスト撮影してみました。あえてファインダーの周辺でピントを合わせます。修理前はまともな撮影ができませんでしたが、今日は問題なく(少なくともファインダー内は)撮影完了。
昔の記憶では明らかに周辺部でのピントが狂ってましたが、修理後の撮影結果はまあまあ我慢できるレベルに。
ただ、修理直前に撮影したものも何の問題もなかったので、今回の不具合が過去のトラブルの原因だったのかどうかは今一つ判然としません。
考えてみればファインダーはスクリーンに映った像を見ているだけなので、視度補正レンズがずれていても、像がちゃんと視認できるかどうかは別として、ピントが合ってないのがあってには関係ないはずとも思える。なぜ昔の不具合が改善したのだろう。実は改善したんじゃなかったりして。
とは言え、今後はこのOM-4にも頻繁に出動してもらうことになるでしょう。
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