OLYMPUS OM-1

 さて、このページでは何を書いたらいいのでしょう。使い方なんかあらためて書く必要はないだろうし、スペックや生い立ちは詳細な本が出ているからここで書くのは面倒だし。何がいいでしょうか。

OM-1の電池について

 そういえば、OM-1(N)は、オリンパスの一眼レフの中では唯一、MR9タイプの電池を使う機種ですね。この水銀電池は現在、ほとんどの国で製造中止になっているので、電池の調達に困っている人もいるのでしょうね。MR9と同じサイズのアルカリ電池が一部に出回っていて、¥100とか¥200で売っていますが、これは電圧が1.5Vなので、もともと1.35V仕様になっているOM-1に使うのは不安があります。電気回路が焼けるようなことは実際にはないでしょうが、精度が狂うのは確かです。簡単な実験では、無負荷電圧がそれぞれ1.5V, 1.4V, 1.3Vの電池を入れて露出計の指示を見ますと、0.1V電圧が下がるごとに指示も一段ずつ暗くなっていきます。OM-1の露出計は、電源電圧に依存した設計になっていると思われます。
 かつてはオリンパスがSR44という酸化銀電池を使えるような改造をボディに施してくれていましたが、もう今ではやっていないようです。現在、関東カメラサービスという修理業者がSR44を1.35Vに変換するMR9アダプターを発売しており、¥2900前後のこのアダプターと供給の安定している¥400前後のSR44を使うのが一番現実的な対応策となっています。

 私も、この最も現実的な方法は確保していますが、何か別の方法もあるのではないかと思い始めています。それは空気亜鉛電池を使う方法です。
 空気亜鉛電池というのは、主に補聴器に使われている電池で、電圧が水銀電池に近い1.4V(確か昔は1.35Vと書いてあったような記憶がありますが)で、電圧特性も水銀電池に似て寿命が来るまで電圧の下降が少ないという話をどこかで読んだ記憶があります。この電池も比較的入手がし易く、値段も一個あたり¥200前後なので、これが使えればランニングコストの削減が可能になります。とは言っても、もともと電力消費の少ない用途ですから、たいした削減にはならず、単に人と違うことをやってみたいというへそ曲がりの自己満足でしかないかもしれませんが、もう少しおつきあいください。

 空気亜鉛電池もいいとこばかりではないようで、空気中の酸素を陽極として電気を起こすため、使わなくても反応が進んで消耗してしまうという話を聞きます。そこで、その真偽を確かめるため、封を取った空気亜鉛電池を放置し、時間と電圧の変化を記録してみることにしました。これは開始したばかりなのでまだ結果はお伝えできませんが、途中経過は折を見て報告していきたいと思います。
 さて、今回テスト用に入手したのはSR44と同一サイズの空気亜鉛電池です。放電チェック用としてはサイズは何でもいいわけですが、実際にOM-1に使うためにはどうするのでしょう。答えは、「そのまま使う」のです。SR44とMR9は、見た目では結構大きさが違いますが、OM-1の電池室の中では特に踊ることもなく使用が可能です。どうしても短絡などが心配な人は、スペーサーを入れればいいでしょう。ここではフィルムのケースを幅5mm、長さ40mmくらいに切ったものを電池室のふたに挿入してみました。厚さ方向のスペーサーは不要だと思います。

ということで、取り付けは問題なし、後はロングランテストの結果が実用性有りと出れば、OM-1の電池の選択肢はまた一つ増えることになります。

 ところで、micro-toolsというアメリカの業者をご存じでしょうか。ここでは、電気製品やカメラなどの修理用品を扱っていて、HPもあります。オンラインカタログを見ると、おもしろそうなものがいっぱいあります(私はここからいくつか商品を買いましたが、レンズの分解やフィルター取り外しに使う試験管キャップのような白いゴム以外は使いものになりませんでした。というか、そのままでは使えず、自分なりに加工する必要がある)。
 その取扱商品の中に、実はMR9型の空気亜鉛電池があるのです。商品説明には封を取っても一年は使えると書いてあります。大変興味があるのですが、電池だけ買うのでは送料がもったいないし、他のものを一緒に買うにしても使えそうもないものばかりではかえって無駄だし、ということでいまだに手を出していません。興味のある方はどうぞ。URLは http://www.micro-tools.comです。
 

 さて、このページを作成してからほぼ一年が経ちました。あのとき開封した空気亜鉛電池は、どうなったのでしょう。
テスターで電圧を測ってみました。もともとパワーがない電池のため、無負荷電圧しか測れませんが、その結果は約1.33V。一年前とほとんど変わりません。実際にOM-1に入れてみても、露出は単体露出計とほぼ同じ数値を示します。一年間放置しても、消耗し切ってしまう訳ではないようです。

 現在、カメラに入れて使用した場合にどれくらいもつのか、という検証をしています。カメラに入れっぱなしにして週末使用という条件でやっていますが、4週間経過した今でも問題なく使えています。OM-1に使う事に限れば、自然消耗を気にせずに使えることはわかりました。地方の人も、オークションなどでわざわざ高いMR9互換電池を買う必要もなくなったわけです。

2002.04.14.更新