YASHICA ML MACRO 55mm 1:4

このレンズについて

 オークションでジャンクとして出品されていたものを落札しました。絞りが粘っているとのことでしたが、実物を見ると予想以上のひどさで、絞り羽根にスポイトで油を垂らしたか、油に浸した羽根を組み込んだかと思えるほど、多量の油が羽根に付着していました。その油がエレメントにも行き渡り、一見バル切れを起こしているようにも見えました。
 総ばらしは元々覚悟の上での落札ですので、とにかく分解に入りました。ヘリコイドの回転の感触は悪くなかったのでここはいじらず、絞り機構とレンズユニットの分解と洗浄を行ないました。バル切れに見えたエレメントは油膜によりそう見えただけで、洗浄後はきれいなものでした。絞りに回っていた多量の油も、どこから来たのかよくわからずじまいでしたが、きれいにすることができました。分解に当たって心配だった絞りの制御(絞りリングの変化量と実際の絞り量の変化。過去にトラブル経験あり)も、実写の結果問題ないこともわかり、一安心です。
 それなりに安く買って、分解清掃が楽しめて、写りもいいということで、大変よい買い物でした。

 ML MACROはこのf=1:4以外にf=1:2.8があります。f4の方は3群4枚ですが、f2.8の方はもっと構成枚数が多いようです。


写りは

 開放値が4ですので、悪いはずはないと思うのですが、実際に撮影してみると開放から全く問題ありません。絞りの用途は被写界深度のコントロールのみと考えていいでしょう。安心して使える一方、おもしろみがないとも言えるかもしれません。この辺は撮影目的によって変わりますので、使う側が考えることです。このレンズに限りませんけどね。
 最後の作例は、画角外すぐのところに太陽を持ってきて撮影したものです。ファインダー上でフレアがなくなるように手をかざした場合と何もしない場合を撮影しましたが、結果はあまり変わりませんでした。

2003.02.02.

作例