フード、英語ではhoodで読み方としては「フッド」に近いはずなのですが、日本語では「フード」と呼び慣わされています。また、アメリカなどではshadeと呼ばれることが一般的のようです。
フードの目的はレンズの画角外の光を遮ることで、そのためにはできるだけ深いものがよいわけですが、取り扱いや汎用性などを考えているためか、市販されているフードはたとえ特定レンズ専用でも十分な効果を持っているものは多くありません。
そのため、フードの効果を気にする人は、違うレンズやメーカーのフードを転用したり改造したり、もっと進むと自作したりするようになります。通常は、このように必要に迫られたり、効果を追求するために自作に臨むのですが、今回の私の場合はちょっと違っていました。
もう二年以上前でしょうか、仕事でアメリカに出張した時のことです。休日の昼に某所のマクドナルドに入り、メニューを見ていましたら、"Super
size combo"なるものに目が止まりました。スーパーサイズなハンバーガーとはどんなものだろうと興味が湧いたので、これを注文してみました。わくわくしながら待っていると、頼んだ"Super
size combo"が出てきました。うーむ、確かにでかい。だが、でかいのはハンバーガーではなく、コーラのカップとポテトの容器だけ。なんかだまされたような気分でもそもそと食べているうち、このままカップを捨てるのが惜しくなってきました。そこで、何かに使えないか?
いろいろ思いめぐらしたところ、「うーむ、レンズフードに良いかもしれぬ」とひらめきました。そこで、食事後カップをよく洗って大事に持ち帰り、帰国後にフード化計画を実行したのでした。こんなわけで、「このカップでフードを作ること」が目的だったので、とほほな結果になることはこの時すでに決まっていたのかもしれません。
さて、実際の加工ですが、素材は薄くて柔らかいので非常に簡単です。底をくりぬいて適当なステップアップリングを固定し、内側を艶消しの黒で塗りつぶすだけです。ステップアップリングのサイズについては、使用想定レンズのフィルター枠径が55〜58mmであること、底の外径を測ってみますと約φ65mmであったことから、58→67リングを選びました。
こうして完成したのが右上の写真です。使用例が右下の写真になります。このフードの長所短所を挙げてみますと・・・
長所
・軽い
・深いので効果的
・撮影会などで使ったらモデルさんの視線を集められる?
短所
・かさばる
・壊れやすいので取り扱い注意
・人に見られると恥ずかしい
実はこのフード、一度だけ持ち出したことがあります。仲間内の撮影会だったのですが、持っていったものの何となく使う気になれず、結局使いませんでした。そうこうしているうちに遠くに転勤となり、この作品は完全にお蔵入りとなってしまったのでした。先日、物がぎっしり詰まった押入でごそごそやっていたら、奥の方で「パキッ」という音がしたので、何だろうと思って調べてみたら、このフードが押されて割れた音だということがわかりました。そのおかげで、こんなものがあったことを思い出したわけです。しかし、思い出したはいいのですが、やはりこのフードが今後も日の目をみることはないのだろうな・・・と思うと、一抹のさびしさがこみ上げてくるのでした・・・
というわけで、今回のとほほ度判定は・・・
こんなところでどうでしょうか?
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