KONICA HEXANON 1:1.2 f=57mm

出会い

 コニカのボディはEXAKTAレンズの母艦として入手したのであって、ヘキサノンが好きという訳ではなかったので、出たり入ったりしたジャンクボディや半ジャンクボディについていたレンズを除けば、レンズはほとんど増えませんでした。
 ある時、知り合いに57/1.2というレンズを見せられてその貫禄に惹かれ、一日借りて使ったことがあるのですが、安くないレンズなので傷や汚れをつけるわけにはいかないという意識が強く、その時は楽しい撮影はできませんでした。しかし、いつかは自分のものにしたいという想いは心の片隅に残ったのです。

 あれから一年半、eBayで何度か取り引きしたことがあるNYのカメラ屋から届いた新着リストの中に、あのレンズが載っているのを見つけました。価格も、それほど高くありません。だからもう売れてしまっているだろうと思いましたが、一応在庫確認をしてみたところ、まだあるというので注文しました。本当は、もう売れたという返事を期待していた部分もあったので、注文にはちょっと躊躇したのですが・・・それから3日後くらいに届いたレンズは白い粉末も付着しておらず、程度もよかったのでほっとしました。あのレンズがやっと自分のものになったわけです。

使ってみて

 現在所有する各社の大口径(ここでは開放値1.2) 標準レンズのフィルター枠径は、ズイコー55/1.2、ミノルタ58/1.2、ヤシカ55/1.2が55mm、時代が下がるとズイコーやミノルタの50/1.2のように49mmというのもありますが、このレンズは62mmで、かなり大きい部類になると思います。ただし、銘板の幅が結構あるので、前玉の直径はミノルタのMC58/1.2(フィルター枠径は55mm)とほぼ同じです。後玉の直径は逆にMC58/1.2やML55/1.2よりわずかに小さい上、一部が開放値伝達ピン基部に覆われています。後玉が真ん丸ではないというのは、他にトミノン55/1.2(M42)があって、こちらはガラスが削られていたと記憶しています。いずれも、開放値伝達用のピンとか自動絞りの押しピンといった、場所を変えたり省略したりするわけにはいかないものに対する措置です。

写りは

 やはり、まずは開放での写りが気になるところですが、コニカのカメラは一貫してシャッター速度優先式AEでしたので、完全に開放で撮影することがけっこう困難です。まあ、マニュアルで多少の絞り誤差を無視して開放を使うという手もありますが、やめました(^_^;。ですから、開放のつもりでも半段くらい絞られている可能性もあり、その辺は差し引いて考える必要があります。
 開放では、コマ収差もよく認められ、コントラストもやや低いのですが、ハロが少ないせいでクリア感は他のf1.2レンズを凌駕していると思います。最近接45cmではこのクリア感がないようで、近接は苦手なのかもしれません。絞って使うとコントラストも高くなり、文句がなくなります。バキバキのシャープさではなく、繊細なシャープさで、これがヘキサノンの特徴なのでしょうか。

2003.09.24.作例追加


作例
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