このレンズについて
何度も書いていますが、元々ヘキサノンが好きで集め始めたわけではないので、ARヘキサノンについての知識はほとんど持ち合わせていません。この50mm
F1.4というレンズも、いつ頃のものでどのような変遷があったのかは知りませんでしたが、最近になって手許にある2本の50mm
F1.4は各部が異なっていることに気づき、過去にどんな変化があったのか、興味が湧いてきました。
しかしwebをいろいろ検索しても、まとまったARヘキサノンレンズの歴史が書かれたサイトは見つけられませんでした。web上の掲示板等では断片的に情報が示されていますが、信憑性に課題があったりでそれらをそのまま信じることができません。ARヘキサノンについての情報をお持ちの方がおられましたら、是非ご教授頂きたいと思います。
さて、このレンズですが、手許にある2本は各部が違います。大きな違いは、次の表のようになります。便宜上、Type
A、Type Bと仮名をつけました。
(右の写真は、スケールが違うためType Aの方が小さく見えますが、実際は逆です。)
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項目 |
Type A |
Tyoe B |
1 |
銘板材質 |
金属 |
プラスティック |
2 |
シリアル位置 |
銘板 |
鏡胴外周 |
3 |
最小絞り |
16 |
22 |
4 |
最大外径(ピントリング) |
66 |
61.7 |
5 |
絞り羽根枚数 |
6枚 |
8枚 |
6 |
シリアルNo. |
7725*** |
7700*** |
1,2については、明らかにコストダウンのためType AからType Bに変わっていることは予想が付きます。3.についてはどちらかというとコストアップ要因ですが、差別化のための変更という見方はできます。4.については、小型化のための変更と見ることができます。ただ、5.については、Type
BからType Aに変化したと考える方が自然みたいです。
というわけで、5.が気になる点ではありますが、以上4までの点から見ると、Type
Aの方がType Bより古い、ということは言えそうです。しかしシリアルは、古いものほど番号が若いという常識に反して、Type
Bの方が若くなっています。これはどういうことなのでしょう。コニカの番号の振り方が特殊ということなのでしょうか?
これは、50mm F1.4だけに限らないことのようです。後日、手持ちのARヘキサノンについてまとめたページをアップしてみたいと思います。
レンズ系は、各面の反射光の色が若干違ったりしていますが、基本的には同じもののようですので、写りに個体差以上の差はないと思われます。また、最後面の曲面がミラーに向かって凹になっているのが、(私が所有する)他のレンズにはない特徴です。
写りは
一般的にあまりこのレンズの評判は聞きませんが、たまに見聞きするものは大変好意的な評価ばかりです。実際に使ってみても、開放でも十分なコントラストがあり、優秀なレンズだと思います。57/1.2に比べると、やや線が太いかなという感じがして、個人的には57/1.2の方が好きなのですが、コンパクトさを考慮すると50/1.4の出番はあると思います。
今回の作例は、すべて中近距離での撮影になっています。
2003.09.29.
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