DYNAREX 1:4.8/100

このレンズについて

 デッケルマウントの中望遠レンズです。近い焦点距離としてはレチナレフレックス用のテレアートン85mm, 90mmがあります。直径は似たようなものですが、全長はDYNAREXの方が2倍くらい長くなります。テレアートンほどではないにせよ、コンパクトなレンズであることは確かです。
 このレンズは開放値が4.8ですが、後に全長が短く、直径が大きくなったDYNAREX 1:3.4/90が登場します。

 このレンズの特徴は、まず最短撮影距離が短いことです。テレアートンは最短が1.9mですが、このレンズは約1m(3.5feet)まで近寄れます。全般に最短撮影距離が長めのデッケルマウントレンズの中では異色と言えます。この秘密は、一部のデッケルマウントレンズを除きほとんどが全群繰り出し式なのに対し、DYNAREX100は絞りから後ろが固定で絞りより前の群が前後する構造になっていることだと思われます。
 フィルター枠のネジ径は40.5mmなので、40.5-49あたりのステップアップリングを買えばフードはどうにでもなると思われますが、まだステップアップリングを入手していないので、フードなしで撮影しています。
 ウルトラマティックの開放測光に対応していることを意味する黄色いペイントがついていますが、開放測光の連動範囲はf:2〜f:4ですので、このレンズのようにf:4より暗いレンズでは意味がなく、露出補正が必要になります。この点についてはページをあらためて書いてみたいと思います(いつになるかわかりませんが)。

写りは

 暗いけれど小型軽量、意外に近寄れるのでお散歩撮影にもよいかもしれません。開放・最短付近ではソフトフォーカスフィルターを装着したかのような写りですので、ポートレートにもいいと思われます。ただ、入手当時の試写結果はけっこうシャープだった記憶があるので、後群に発生しているバル切れが当時より大きくなっている(ような気がする)のが影響しているのかもしれません。

2003.04.21.


作例