Distagon 1:4 f=35mm

出会い

 「コンタレックスに手を出したら、とりあえず買っとけ」といわれているレンズの中の一本です。そういう一般的な評判はけっこう早くから目にしていましたし、「本当のカールツァイス」だとか露出をアンダー気味にして撮るとすごい発色、などというインプレを読まされていて、期待はいやが上にも高まっていました。でも、手に入れたのは意外に遅く、ゾナー135の後だったと記憶しています。

使ってみて

 広角レンズで開放値が暗いので、ファインダーの見えは標準ズームの広角のようです。現在所有している唯一のボディであるスーパーは、標準のスプリットマイクロ+素通しスクリーンからヤシコンのスクリーン加工品に替えてあるため、余計に暗くなってしまいます。それでも、全面でピント合わせできるのは利点です。
 また、このレンズは最短撮影距離が19cmなので、被写体がレンズに触れんばかりのところまで近づくことができ、けっこう重宝します。

 レンズ先端がバヨネットになっていて、専用フードやフィルターを取り付けることができますが、内側に49mmのネジも切ってあるため、汎用フードやフィルターも使えます。純正にこだわらなければその方が経済的です。私も専用フードは一応入手しましたが、紛失や破損が怖くて使っていません(^_^;

 このレンズの別の特徴としては、絞り形状の変化が独特であることが挙げられます。ヤシコンやOMズイコーの一部のレンズは開放から絞るにつれて矢車形状から多角形に変化するものがありますが、このレンズは絞り始めの八条の星形からだんだん八角形になり、最後はほぼ真四角に変化します。まあ、別にどうってことはないですが、他社のレンズでは見られない特徴なのではないかと思います。

ちょっと絞ると変形多角形に・・・ さらに絞ると正多角形に・・・ 最小絞りではほとんど正方形に・・・


写りは

 開放値が暗いこともあって、開放時から非常にシャープでよく写ります。ただ、よく写りますがそれだけだと感じます。前評判に踊らされて過大な期待をしていたということは事実ですが、私の好みに合わないということかもしれません。絞り形状の影響はまったく無いと思います。そういう次元ではなくて、ポジをルーペで見たときに感じる何か、もっとこのレンズで撮影された写真を見たいとか、また持ち出して使いたい、という気持ちにならないのです。なぜか作例さえもまともなものが撮れないレンズとボディ。入手したてのころも同じように感じていましたが、いずれは良さがわかると思いながらもうだいぶ経ちます。そろそろ考え直すときかもしれません。


作例
          

             
      

2005.05.17.