このレンズについて
ヤシコンZeissレンズの中では新しい設計です。このレンズの評価は、その大きさを別にするとかなり高いようで(価格も高い)、オークションでもまだそれなりの落札価格になるようです。あまりたくさん売れていないとか、買った人がなかなか手放さないという理由もあるかもしれません。
18/4同様、フロート方式を採用していますが、18mmが前群回転のような動作をするのに対し、こちらは後群のみが動くという違いがあります。歪曲が少ないと言われていますが、そのカタログ値は18/4とそれほど差はなく、どちらも十分なレベルだと思います。
このレンズ、太さはそこそこですが、全長が長く、21mmという焦点距離には見えません。断面図を見ると、レンズが詰まっていて無駄に長いわけではないことがわかります。13群15枚という、ズームレンズ並みのエレメント数です。鏡胴先端だけ太くなっているのは大きな前玉に対応(要するに小型化)しているためと思われます。一部のズームレンズなどにもこの形状が見られます。
最短撮影距離は0.22mですので被写体に十分近づくことができます。レンズ全長が長いので、22cmというと被写体は前玉に触れんばかり(ちょっとオーバーです。実際には9cmくらい)の位置になります。子供や動物相手の時は要注意でしょう。
使ってみて
18mmの時は非常にピント合わせをしにくいと感じましたが、このレンズは純正スクリーンのマット面でもピントの山を確認できます。一段明るいからか、レンズの性能自体が違うのか、あるいはその両方なのかよくわかりませんが、ストレスなくピント合わせができます。
このレンズは当分買えないな、ということでD18を入手したのに、結局1年立たないうちにD21を入手してしまいました。画角的にはどちらかでないとダメ、ということはないので、いずれは集約したいと考えていますが、その決定はなかなか難しそうです。画質、ピント合わせのしやすさ、最短撮影距離ではD21に軍配が上がりますが、コンパクトさ、耐逆光性では圧倒的にD18です。決定的なポイントは今のところ見つかりません。結局、両方ともずっと手元に、ということになるのかもしれません。
写りは
開放から大変よく写ると思います。D18では開放の周辺減光が大きかったのですが、D21は全然わかりません。米粒以下の被写体も、ルーペで拡大すると細めの線でしっかり写し取られていることがわかりますし、透明感のある描写をしてくれます。ただ、意外なほど逆光には弱く、強い光源が画角内にある時はアッチョンブリケのようなゴーストがはっきり出ますし、画角外すぐのところに強い光源をおいた場合は強烈なフレアやゴーストが出ることがあります。反射面が28面もあれば、それもやむを得ないのかなという気はしますが・・・
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