Contarex Super

このカメラについて

 1967年に発売された、コンタレックス4代目がこのコンタレックススーパーです。特徴は何と言ってもTTL式CdS露出計を内蔵している点でしょう。私がこのカメラを入手したのも、それが理由なのです。
 外観上も初代、二代目までのデザインから大きく変わっています。

 私が最初に買ったボディは「ブルズアイ」と呼ばれる初代でしたが、このカメラの露出計はシャッターダイヤルや絞りリングと連動しているとはいえ、外光式露出計であること、経年劣化による(と思われる)精度の低下があり、内蔵露出計には頼れない状況でした。では単体露出計を併用してマニュアル露出で撮ればいいかというと、絞りにクリックもなくねらった露出が得られにくい不安がありました。そこで、TTL式CdS露出計を内蔵している「スーパー」を欲しいと思うようになったのです。

 「スーパー」には前期型と後期型があり、写真は前期型です。見分け方ですが、ペンタ部の「Contarex」銘板の向かって右に露出計のスイッチがあるのが前期です。後期型は露出計のスイッチが巻き上げレバーの横に移り、レバーを予備角まで起こすとスイッチが入るような構造になっています。前期型では押すとロックされて、解除しないと電源が入りっぱなしになりますが、後期型ではレバーを戻せばスイッチがオフになります。
 また、ペンタ部頂上のシューがホットシューになっていますが、その他の機能は初代とほとんど差がありません。ただ、ミラーアップについては手順が異なっています(巻き上げた後、巻き上げレバー横のボタンを絞りリング方向へスライドさせる)。

 (2002.12.7.補足:Contarex Superのミラーアップは電池の出し入れのためだけで、Distagon 21/4.5を使用するためのものではありません。SuperではD21/4.5は使えないのでした。)

使ってみて

●露出計は割と測光範囲の広いスポット測光です。「スーパー」購入の最大の理由であるTTL露出計ですが、やはり期待したような精度は出ておらず、明るい場所、暗い場所で感度がかなり変わってきます。反応もだいぶ遅く、不安感は募るばかりです。仕方がないので単体露出計を引っ張り出しますが、これでは初代を使っていた時と同じ状況に逆戻りです(; ;)
 露出計の電源はMR9タイプの水銀電池です。ミラーボックスの底部に電池を装着します。酸化銀電池を使う場合は関東カメラサービスの電圧変換アダプターを併用することになりますが、旧型のSR44用では厚すぎて具合が良くありません。新型のSR43用を使った方がいいでしょう。この電池は露出計だけの電源のはずですが、OM-1などでは使えた空気亜鉛電池は、このカメラには電力不足で使えません。あえて電圧変換は行なわず、1.5vのままで使うのであれば、SR44をそのまま入れてもガタもなく問題なく使えます(感度の問題は除く)。OM-1でもそうでしたね。

●完全に調整された個体をいじる機会がなかったので、本来の姿はわからないのですが、このカメラも巻き上げが軽くありません。巻き上げトルクに対してレバーの長さが短く、先端が細いため、親指の腹が痛くなります。フィルムなし、レンズ未装着だと気にならないのですが・・・

●このカメラはファインダースクリーンが交換できます。これも購入に際しては大きなポイントでした。コンタレックス初代はマイクロプリズム+スプリットの周囲素通しスクリーンで、真ん中でしかピントを合わせられなかったからです。しかし、購入後にわかったことですが、スーパー用純正交換スクリーンは何種類かあったものの、すべて周囲が素通し(フレネル)のスクリーンで、私が期待した周囲マットのものはなかったのです。
(2002.12.7.訂正:アクセサリーリストを見ましたら、ground glass screenというものが載っていました。全面マットの純正アクセサリーがあったようです。)千曲商会でRTS III用のスクリーンを加工したスーパー用スクリーンが売られているという情報も得ましたが、試しに傷が付いてお蔵入りしていた167MT用スクリーンを加工して取り付けてみたら、全然ピントの山がつかめなかったので、RTS III用も同じようなものだろうと判断し、購入しませんでした。
 それでもマットが欲しい願いは切実だったので、ミノルタのM型スクリーンを加工して取り付けました。こちらはD25でもそこそこ使えていますので、とりあえず満足しています。
 しかし、M型スクリーンはα-9よりもそれ以外のカメラに装着されている数の方が圧倒的に多いんじゃないでしょうか。

●アイレットの位置は初代と変わりません。当時はケースに入れて使用するのが普通のスタイルだったと思うので、その状態では釣り合いがとれていたのでしょう。

●その他、交換バックや三脚座などはシリーズ通して共用できます。

2002.11.20.