COLOR-LANTHAR  2.8/50

出会い

 オークションで落札したBessamaticについていました。というか、このレンズのために落札したのです。これと同名のレンズがVITO CLRというカメラに付いていて、その写りがけっこう好ましかったため、SLR用のレンズもいつかは手に入れようと思っていたのでした。

使ってみて

 当時の新種ガラスを使ってはいるようですが、3枚玉で前玉回転式という仕様から、普及型レンズであると言えます。構造も簡単で、デッケルレンズ独特の被写界深度を動的に表示する赤い爪がありません。最短撮影距離は1mでやや長いので、何とかならないかと分解してみたところ、無限遠と最短のストッパーは鏡胴をプレスで打ち抜いて小さな爪を飛び出させてあるだけだということがわかりました。そこで、最短側のストッパーを押し込んで、無限側のストッパーで両方兼用させるようにしたら、無限から約60cmまで寄れるようになりました。前玉の脱落の心配もなさそうなレベルです。しかし、実際に使ってみますと、最短ではピントの山がわからづらく難儀します。やはり前玉回転の影響でしょうか。

写りは・・・

 絞って撮影しても、最短では何となくシャープさに欠ける感じがするように思います。また、セプトンやカラスコと同じ被写体を取り比べてみると、背景のボケが回りかかっていると感じます。また、明らかに黄色味が強く写ります。個体差かもしれませんが、あまり評価できない写りです。今度、VITO CLRと撮り比べをする必要があると感じています。

作例