カメラバッグ

  持っているカメラは一台のみ、交換レンズも持っていないというようなストイックな方は別として、カメラやレンズをちょっと多めに持っている普通の人は、撮影に出かけるときカメラバッグが必要です。もちろん、カメラ一台を肩からさげるだけで出掛けたいという場合もありますが、通常は本格的な撮影行、山歩き、観光旅行、撮影会など、シチュエイションに応じた最適なバッグが必要になります。選ぶときにはできるだけ多くの局面に対応できるバッグを、ということで、頭の中で思いつく限りのパターンをシミュレーションし、イケると判断したものを買ってくるわけですが、実際に使ってみると思ったようにはいかないのが現実です。その結果、カメラバッグがひとつ、またひとつと増えていくわけです。
 私の場合はそれほど多くないと思うのですが、それでも5個ほど持っていて、必要に応じて使い分けています。
 とまあ、こんな話を続けるとキリがないので、今回はその中のひとつにスポットを当てます。LOWEPROというメーカーの、オムニトラベラーというモデルです。
 ちまたのカメラバッグの多くは上開きですが、このタイプ(写真右上)は肩から下げたまま蓋を開けてものを取り出すことができる点が非常に便利です。反面、ある程度実用的な容積を持つサイズですとバッグの深さがけっこう深くなり、望遠レンズを入れる場合はいいのですが、標準〜広角の単焦点レンズを入れる場合は空間が無駄になります。それがイヤで段積みにしますと、下にあるレンズの取り出しが面倒になったりします。肩から下げていると、腰に当たる部分でバッグが変形し、中身を取り出しにくくなったりする場合もあります。そんなわけで私が選んだ選択肢がオムニトラベラーだったのです。
 このバッグの外観は写真右中のようになっています。一般的なカメラバッグの形と違って薄型で、肩から下げた状態では蓋が前面開きとなります。このバッグの利点は厚さ(深さ)が中望遠〜広角の単焦点レンズを入れるのにちょうどいい寸法であり、無駄がない、底面積が大きいので部屋数を多く取れる、一部屋一レンズ収納なので取り出しが簡単、仕切板のレイアウトが比較的自由、一見カメラバッグには見えない、などです。欠点は望遠レンズが入らないこと(一本だけなら何とかなる)、そして最大の欠点が前面開きの蓋です。肩から下げた状態で蓋を開けると、自分から見て向こう側に開くことになるため、どこに何が入ってるのかがよく見えません。また、何かを取り出しているときに別のものが落下する危険があります。このため、いったん何かの上に置くか、それができない場合は片足を上げてももでバッグの底を支え、上に向けなければなりません。取り出しが終わった後は、蓋が開かないようファスナーを毎回閉じる必要もあります。
 そんなわけで、蓋以外の点についてはほぼ満足していたものの、最大の弱点を少しでも補強すべく、いろいろ考えたのでした。

 まず、内側にゴムを仕込んでみました。原理としては、二枚貝の貝柱をヒントにしていて、蓋を開けた後に手を離すとゴムの力で蓋が閉まるという構想です。しかし、蓋がぴったり閉まる程度にゴムがテンションを保った状態から蓋を開けていくと、いくらも開かないうちにゴムの限界が来てしまい、無理に開けると切れてしまいました。
 そこで次に、バッグ本体側と蓋側にマジックテープを貼り付け、この結合力で蓋を固定しようと試みました。しかし、マジックテープでは根本的に強度が足りないのではないかという不安、マジックテープを複数箇所貼れる場所がない、しゃがんだりしてバッグが変形したときに簡単に剥がれる、など問題点ばかりでこれも解決策にはなりませんでした。
 そこで今回考えたのが、どのカメラバッグでも必ず1個は使っている、ワンタッチカプラー式のファスナーを使用することです。以前からこれがあれば、とは思っていたのですが、アウトドアショップで普通に売っているのを見つけたので実行に移したわけです。

 取り付ける場所は最初からだいたい決まっていたものの、どう取り付けるかで悩みました。オスとメスがどういう向きなら着脱が容易か、どう固定すれば着脱がしやすくなるか、いろいろ考え、試しながら決めたのが写真右下の状態です。さりげなく付いていますが、ここに至るまでにはけっこう時間がかかっているんです(^_^; 
 でも、これで完成というわけではないんです。蓋が柔らかいので、何かの拍子にバッグ内の両端上に入れたレンズなどが落ちる可能性は十分考えられます。できれば落ちないような対策を考えていきたいところですが、どうしてもそれが思いつかない場合は、上には落としたくないものを入れないことでしのぐしかないかもしれません。
 今後、さらによい方法を思いついたら、対策を施していきたいと思います。

  今回、ファスナー取り付けには嫁さんの全面協力を受けましたので、それに敬意を表して本件のとほほ度判定は・・・

とほほ度 ★★☆☆☆
実用度 ★★★★★

 今回は、かなり無理してます・・・