出会い
1996年に京セラが従来のMFレンズを使ってAFを実現するというAXを発売したとき、すごいことを実現したものだと思いました。AF化のために写りを犠牲にする事はしないという主張は説得力がありました。N1以降の京セラを見ていますと、アレは何だったの?と思ってしまいますが、とにかく、従来のヤシコンツァイス資産を継承できるAFボディの登場はある意味画期的だったと思います。
と、その登場・存在意義は高く評価していたものの、高い、AFが合いにくい、合焦マークが出てもスプリットはずれている、裏蓋が開かないなどの不具合をよく見聞きしたこともあり、自分が購入するようなものではないと判断していました。
その後しばらくして、周囲の影響で映画用レンズとかフィルムが現存しないカメラのレンズなどを35mm一眼レフカメラにつけて撮影する遊びを覚えると、AXの「とりあえずボディに取り付けできれば何でも撮影は可能になる」点がクローズアップされるようになりました。それまではベローズや接写用ヘリコイドをつけた状態で無限が出るように工作をしなくてはならなかったのに、AXを使えばヘリコイドなしでとにかく取り付けることができれば、あとはボディ側でピント合わせをしてくれるのです。いずれは手に入れなければ、という思いをずっと持っていました。
AXは値崩れが激しく、発売後しばらくで新品が定価の半値という状況になり、中古も少しずつ安くなっていました。そこで、買うのは製造番号が1万番台以降で7万円以下のもの、と決めて、その時が来るのを待っていたのです。
ついにその時が来ました。私用で浜松に行ったとき、浜松在住時によく通っていた某店で自分が決めた基準に合致する機体が売られていたのです。出たら買うぞ、と思っていても、いざその時が来ると躊躇してしまうものです。結局その場では買うことができませんでした。
一週間後、今度は出張で浜松に行ったのですが、まだ店頭にあったので、知人の後押しもありついに購入に至りました。
使ってみて・・・
レリーズ時に時々シャッター鳴きのような音を出すのが気になりましたが、撮影自体には影響ないようだったのでそのまま持ち帰ったのですが、試写をしてみると絞ったときに対して開放で一段近くアンダー露出になる不具合を発見しました。その時点で返品という手もあったのですが、浜松へ送るのも面倒だったので、銀座に行ったついでにコンタックスサロンで見てもらったら、レリーズ時の異音は放っておくと絞り制御に悪影響が出るかもしれないと言われたので、その場で入院となりました。修理代が8000円ほどかかりましたが、これで不具合がなくなったのでよしと考えています。
大きさは、それまで十分大きくて重いと思っていたRTS IIIを凌ぎますが、重さはRTS
IIIより若干軽く体積あたりの重量は少ないため、ずっしり感はそれほど感じません。私の手も大きい方なので、ボディの保持も全く問題ありません。ダイヤルなどの操作性も違和感なく使えます。肝心のAFは、もともと過大な期待はしていないし、求めても無理なことは承知していたので全然気にならないレベル。多少時間がかかっても、自分の目よりあてになることもあります。何より、異種格闘技の強い見方になってくれることは大変頼もしいですね(でもまだそういう使い方はしてないんだけど(^_^;)。
その他
このカメラ、ボディの中でボディが動く関係で、ある程度ファインダー倍率が犠牲になるのはやむを得ないのですが、それでもRTS
IIIよりはましとは言え、倍率の低さは気になります。そこで、先日ひっそりと発売されていた倍率アップアダプターを装着して問題の改善をはかっています。1割ほどの改善ですが、効果は数字以上に感じます。
バッテリーが2CR5しか使えないのですが、RTS IIIみたいに単3乾電池も使えると経済的でしたね。まあ、それほど電池を食うカメラではないみたいなので、困ることはないと思います。
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