AUTO-REFLEX   

このカメラについて 

 今は亡き老師の魔窟に出入りしていたときに、EXAKTAマウントの母艦として譲ってもらったものです。純正のマウントアダプターとセットでかなりや安かったと思います。
 このころのコニカのカメラは大柄で似たようなデザインの製品が多かったように思います。レリーズ音もがしゃーんという感じで、悪く言えば大味な感じがしますが、嫌いではないです。ただし、大柄というイメージはありますが、末期のFT-1などと比べても大きさ・重さはそれほど違いません。なのに、なぜか大柄というイメージが強く、寸法的には変わらないのにどうしてもこちらの方が大きく見えてしまいます。デザインのせいでしょうか。
 このAUTO-REFLEXは、日本ではAutorexという名前で販売されていたようです。一番の特徴は、レバーの切り替え一つでフルサイズとハーフサイズを混在させて撮影ができたことです。機能そのものはおもしろいと思うし、EEの怪しくなってきたこのカメラをいまだに手放さない理由の一つでもあるのですが、こんなでかくて重いカメラをハーフサイズカメラとして使うほど、私は酔狂ではないですね、正直言って。フィルムが高価だった時代のあだ花?
 露出は外光式シャッター速度優先AEです。コニカはEE(エレクトリックアイ)と呼んでいました。カメラの正面向かって左上の丸いものがシャッターダイヤル、そのダイヤルの前面上にある丸い凹みが受光部です。シャッターダイヤルを回すと、内蔵されたスリットが共回りして受光部からの光で絞りを決めるという、昔のコンパクトカメラと同じ構造です。

使ってみて・・・

●昔のコンパクトカメラと同じ露出制御のため、レリーズ感はスプリングを縮めきったところでさらに一押しする感じになり、ストロークが長くてフィーリングとしてはあまりいいものではありません。また、巻き上げレバーはボディの大きさに比べるとアンバランスなほど小さく、特に指の当たる部分が小さくてとがっているため、親指の腹が痛くなります。

●外光式露出計のため、順光以外では信頼性が落ちます。焦点距離の違いも影響してきません。ただ、こういう外光式の場合は、測光範囲がけっこう狭いため、実際の撮影結果には焦点距離の違いは影響が多いわけではないようです。

●巻き戻しクランクも、当時のコンパクトカメラの部品を流用しているのかと思うくらい小さく、不釣り合いです。しかも、普通のカメラは巻き戻しレバーの軸はフィルムのスプールと直結していますが、このカメラはギアを介してレバーとスプールに噛み合う軸が連結されているため、潤滑が悪くなると非常に抵抗が大きくなります。巻き上げでは親指の腹が痛くてたまらなくなるし、巻き戻しも指が切れそうになるほどです。

その他

 今後も出番はそれほど多くないと思うのですが、老師の遺品でもあることから、手放さずに手元に置いておくつもりです。

2001.11.10.