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出会い 

 大昔、初めて自分で買ったOM10に次ぐ、新品(棚ずれ)購入品です。初めて海外出張に行ったときの手当が出て、少し懐が潤っていたので、雑誌やカメラ屋で絶賛されていたコンタックスを使ってみようかと考えたのですが、高価な印象があったのでまずは中古で揃えることにしました。たまたま東京へ行く用事があったので、ついでに何軒かカメラ屋を回ったのですが、新宿のある店で棚ずれ品が中古よりちょっと高いくらいで売っていたので、まあ最初は新品で行くか、というわけで購入に至った次第です。

使ってみて・・・

●古いカメラばかり使っていることもあり、押しボタンとスライドスイッチによる操作は、やはり多少の違和感を感じます。しかし、絞り優先AEオンリーで使用してますから、スライドスイッチを操作するのは巻き戻しの時だけで、大きな問題はないですけど。それから、これはスライドスイッチであることの利点と言ってもいいと思うのですが、マニュアル露出モード時に16秒の長時間露光ができるのは、コンタックスではこのカメラくらいのようです。ただ、今のところ私はこの利点の恩恵を享受したことはありません。

●アイピースシャッターが内蔵されていないので、接眼部を塞ぎたいときはストラップに通しておいた遮光用カバーを使うことになりますが、これを付けるためにはアイカップを外さなくてはなりません。外さなくてはならないから外れやすくなっているのか? 知らないうちにアイカップがなくなっていることがあります。2回なくしたので、もう今は付けていません。

●これ以上の感想が思いつかない、取り立てて長所も短所もないカメラです。一度は手放そうかと思ったことがありますが、手持ちのヤシコンボディの中では一番軽量だし、ワインダーが必要なときには便利なので、手元に残してあります。
 

その他

単4電池4本が標準電源ですが、P-5というバッテリーホルダーを装着すると、単3電池が使えます。このP-5は、あくまで「バッテリーホルダー」であり、他社に見られるようなグリップとしての機能を期待すると完全に裏切られます。重く、持ちにくくなってしまうのです。唯一の利点は、三脚穴が中央に来ることくらいでしょうか。また、外部電源のパワーパックP-6を使いますと、寒冷地での電圧低下の心配を低減することができます。

 それから、現在はTalbergスクリーンという非純正のガラススクリーンを入れています。このスクリーンは、ピントの山がつかみにくい純正ファインダーを少しでも改善したいという、ユーザーの立場から発想された製品です。ファインダーの見やすさを重視している純正品とは逆に、ピントの合わせ易さを追求しているため、ファインダー像は暗くなります。暗くなる分、露出補正も必要になります。私の場合、-2/3の補正をかけています。元々はピント合わせの精度が要求される大口径レンズのために考案されたものですので、開放値が暗いレンズではやや使いにくくなってきます。特にこのカメラはファインダー系にコンデンサーレンズがないとかで、Tarbergスクリーンを入れると周辺の光量ががくんと落ち、開放値f2.8のレンズをつけての室内や夕方などの撮影では、周辺の状況はわからなくなってしまいます。その辺は承知の上で購入し、使っていますので問題はありませんが、周辺光量の落ち方は予想以上でした(^_^;
 このスクリーンについては、純粋に理論的な立場から疑問を呈する方もおられますが、現実に存在する問題に対して一つの改善策を具現化したのは意義があることと思います。
 ☆このカメラに装着されているスクリーンは最初のロット品ですが、その後、周辺減光を緩和したセカンドロットがリリースされました。

2001.11.10.

 M42マウントアダプターを介して、M42マウントレンズをこのカメラで使うことがたまにあるのですが、先日ちょっとした体験をしました。
 いくつかあるマクロレンズを比べるため、このカメラを三脚に据えて花を撮ったはいいのですが、上がりを見てみると絞るほどアンダーになっています。これはファインダーからの逆入光による影響と考えるのが普通ですが、このときはちゃんとアイピースカバーをつけていましたから違う理由です。結論を書きますと、ペンタ部の「CONTAX」マークの上にあるファインダー内表示用採光窓から強い光が入り、これにより露出が狂ったことが判明しました。純正レンズでは開放測光なので影響は少ないのですが、絞り込んでの絞り込み測光時にはかなり影響が大きいようです。このカメラでM42マウントレンズを使う場合には注意しなければいけない点だと思います。

2002.10.01. (追補)